緑の調律日誌

園内の出来ごと

絶滅危惧種の保全、講演イベントでした!

2023/09/23

2023年9月23日、白馬五竜高山植物園が取り組む、絶滅危惧種の保全についての講演会イベントを開催しました!

昨年も同様の報告会を開催しましたが、

今年なりの話題も追加しての開催です!

会場は、エスカルプラザの人通りがある場所を設定しました。

植物園に向かう人が通りすがりにフラッと立ち寄れる位置取りです!

「持ち帰りできる資料の配布があれば」・・・と、昨年のアンケートでもいただきました。

しかし・・・紙の資料を作成するのは、まとめと印刷の手間もありまして・・・

スライドの大半を印刷して掲示してみることとしました。

 

早めに会場に来られた方が、先んじて目を通されていたり、

「個人的な写真撮影どうぞ」と明記しているので、閉会後にスマホで撮影される方も多くいらっしゃいました。

私自身、講演会などではスライド画面を良く写真に撮るので、こうして貼っておけば、お互い有意義というものです!

午前10時、講演会開始です!

小規模な講演会なので、20人来ていただけるかな・・・と思っていたのですが、

40人以上来ていただけました!嬉しいですね!

また、通り道とも言える空間で公開講演していたので、通りすがりの方も足を止め、ちょっと見て行く方も多かったです!

今回の講演の目次です。内容が多岐に渡ります!

ゲスト講演も含めて、時間は2時間です!

ゲスト講演者、石原裕美さん。白馬山案内人、長野県ライチョウサポーターズエース。

中央アルプスで、ライチョウ活動をされる石原さん。
(活動を見学させていただいた時に、カッコ良く撮らせていただきました!)

活動の体験談、苦労話など、当時者にしかわからない話題をたくさんいただきました!

ゲスト講演者、腰塚祐介さん。足立区生物園の陸生昆虫班長として、フサヒゲルリカミキリの保護増殖事業としての飼育を担当されています。

飼育方法、日々の管理、食草キープの苦労など、具体的な体験談をいただきました!

午後は、植物園の見学会。

ビジターセンターに設置した展示を説明しつつ、鉢で育てる高山植物、飼育しているタカネヒカゲ幼虫などを実際に見ていただきました!

植物園では、通常のガイドというよりも、

どういった環境や用土で育てているか、その工夫や苦労は何か、

実際に見ていただきながら説明させていただきました。

天気は肌寒く、小雨混じりでした。

それでも、皆様興味深く聞いていただきました!

非常に熱心な方たちと、ご一緒させていただき、有意義な時間になったと思います!

皆様、今回のご参加、ありがとうございました!

今後も活動を継続し、深めていきたいと思っています!

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下記、講演スライドの一部です。

解説ありきのスライドではありますが、雰囲気だけでも感じてみてください!!

遊歩道整備のボランティア作業でした!(グリーンアカデミークラブ)

2023/07/18

7月14日、グリーンアカデミークラブさん約40名による整備作業が行われました!

 

リフト終点に集結した精鋭の皆様!!

皆様、普段は新宿御苑の管理ボランティアなどをされていて、植物園の管理作業には手慣れた方たちです!

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グリーンアカデミークラブは、東京農業大学グリーンアカデミー本科を修了した「元気なシニア」で構成するボランティア団体です。

新宿御苑だけでなく、国立公園や過疎地域での環境保全・整備活動にも積極的に協力しています。

(下記ホームページより抜粋)

https://gachp.sakura.ne.jp/gachp/index.shtml

さて、自然遊歩道も木道の周辺にササが迫ってしまっているのですが・・・

歩きやすく、ササを刈ります!

「ナナカマドなど紅葉がキレイな木、ツツジなど花がキレイな木などは残してください・・・!」

という、【難度高めの要望】にも応えていただける、手慣れた方たちです!!

スッキリしました!!

皆様、想定よりも作業が早いので、違う場所の整備も行っていただきました!!

別働部隊では、ニッコウキスゲ群生地のそばのササ刈りもしつつ・・・

早く終わった作業班では、ロックガーデン周辺のササ刈りも行いました! ↓

見事スッキリしました!

残す木をマーキングしつつ、最高の仕上がりでした!!

北アルプスが見える曇り空。

最高の作業をありがとうございました!

ボランティアの晩は、地元の宿に泊まっていただき、

次の日は植物園をご案内させていただきました。

 

植物園の整備が捗りつつ、

地域にも還元していただき、

植物に興味を持った方が白馬五竜を知り、勧めていただける・・・

素晴らしい活動となりました!

グリーンアカデミークラブの皆様、ありがとうございました!!!

 

スゲ属植物の研究会が開催されました!

2023/07/10

2023年7月8、9日、「すげの会」第32回全国大会が、白馬五竜高山植物園で開催されました!

すげの・・・ではなく、「スゲ」という植物を研究する会です。

スゲって何?という方も多いかもしれませんが、写真のような植物です。

(シロウマスゲ・白馬岳にて撮影)

何となく見ているけれど、注目したことある方は少ないかもしれません。

目立つ花を咲かせるわけではなく、どれも似ていて、分類が困難と言われます。

困難だからこそ、勉強したい、調べたい、知りたい!

そんな方たちが集まられているようです!

初日は研究発表会。

遠方から来られる方もいる全国大会なので、午後からの開催です。

白馬五竜高山植物園で生息域外保全をしている「センジョウスゲ」を展示しました。

非常に稀少な植物で、植物園で一般公開には至っていない栽培中のものです。

探してもまず見られない・・・そんな植物なのです。

全国のスゲ研究者、愛好家の方でも初見の方が多く、大人気でした!

やっぱり自然光の方が良さそう・・・ということで、窓側に置いてみたりもします!

栽培中のセンジョウスゲの花。ちょっとアートな感じに撮影。

栽培中のセンジョウスゲの花のアップ。

栽培中のセンジョウスゲの果実。

深い山中の植物ですが、栽培しつつ手元に置くことで、その変化の撮影、記録が容易になるのです。

すげの会、会長の星野氏によるご挨拶。

会員数約300名の会です!

「すげの会」ホームページもどうぞ!

https://sugenokai-jp.chu.jp/about-sugenokai/16/

皆様が集まったところで、研究発表会です!

高橋氏による分類研究。

種を特定するのに細かい形や、DNA分析も併用するのです!

矢野氏による、スゲ属の絶滅危惧種の保全の話題でした!

高島氏による、タイの植物の写真や観察事例の紹介でした!

研究発表会が終わるガヤガヤする時間。

コロナ以来4年ぶりの全国大会だったようですが、情報交換、近況報告など、やっぱりこういう時間は大切ですね。

宿泊は、植物園そばの宿へ。

そして夕食のあと、さっそく「標本同定会」が始まります!

種の特定が困難なものを持ち込み、諸先輩方が分類のアドバイスをしてくださるようです。

会長の星野氏(左)、副会長の勝山氏(右)。熱心に意見されていました。

スゲを肴に、熱い意見交換が・・・!

全国トップクラスの、スゲの方たちが白馬に集まった夜でした!

2日目はフィールド観察会。

白馬五竜高山植物園、アルプス平自然遊歩道の自生植物の観察です。

ビジターセンターで開催中の牧野博士の展示ですが、
主にした解説は「一般の方に、植物標本というものを説明したりします」というくらい。

今回来られている方は、どうみても「一般の方」では無いので、色々と既にご存知です!

植物園の絶滅危惧種コーナーでの解説。

経緯や意義などを解説しつつ、スゲの話題では勝山氏にバトンタッチです!

最初は雨でしたが、カサも要らないくらいの天気に。

リフトに乗って、アルプス平自然遊歩道の蛇紋岩地帯に向かいます!

年齢にバラツキがある集まりですが、フィールドワークに慣れた方たちばかりなので、足取りは軽いです!

後ろのメンバーの足取りが遅い・・・と思ったら、さっそくスゲを観察されています。

博士といえど、ルーペを持ってじっくり見る必要がある。

それがスゲです・・・!

どんな植物が現れたか、記録していきます。

スゲの会が、このエリアに足を踏み入れたことは初めてなので、大切な記録です!

普段、案内することの無いようなリフトの終点部分。

今までと違った環境だと、また違う植物が出るものです。

ぬかるみの中、熱心に観察されていました。

見ているのは右の斜面の細長い垂れ下がったスゲです。

「一般の人」が止まることの無い場所で、みなさま足を止めるのです・・・!

植物園の植物は興味無いのかも・・・とも思いましたが、

そんなことは無く、満開のコマクサなど楽しんでいただきました!

白馬連峰高山植物生態園、白馬の自然を再現しています。

スゲも植栽していることは好評でしたが、もっと植えてもいいのかもしれません(笑)

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植物園としての栽培・展示としての生息域外保全。

白馬の標高1500mの気候は、寒冷地の植物栽培に適した場所です。

この気候を活かした植物の保全など、今後も進めていく方針です。

 

それらの活動が、植物園の意義を深めたり、

結果として「珍しい植物が見られる!」ということで、

植物園の発展、来園者増に繋がれば、と思っています。

 

今回は植物のスペシャリストの方たちに、白馬五竜高山植物園を知っていただく大変良い機会でした!

皆様、ありがとうございました!

 

ゆっくり歩く植物園 白馬村公民館「植物講座」でした!

2023/07/01

梅雨の中休み、北アルプスが見える良い天気!

6月29日は白馬村公民館「植物講座」でした!

昨年設置した記念写真の看板。皆様も撮影にご利用ください!

まずは、ビジターセンターに設置した牧野富太郎博士の展示を見ながらの説明です。

「日本植物学の父」とも呼ばれる牧野博士がどんなことをされたか・・・

長野県、白馬にも来られたこと、牧野博士ゆかりの植物などを話題にしました。

植物標本は、資料として重要性が高いのです。

新種の根拠となる最初の標本はタイプ標本といい重要であること、

ラベルをしっかりつけることで、押し花でなく「標本」となること、

皆様、熱心に聞いていただけました。

ヒマラヤの青いケシは見頃始まり。だいぶ数が増えてきました!

北アルプスを背景に美しく咲いています!

今の季節は、花のアップを撮るにもキレイな個体が多いですね!

今日の行程は、パネル説明を含めて10~12時。

リフトを使わずゆっくり歩き、戻ってくるコースとしました。

ブナ林の中に咲いていたショウキラン。見かける機会の少ない野生ランの仲間です。

皆様、交代で写真を撮られ、順番待ちの間には耳だけお借りして、ブナ林の植物の説明をさせていただきました。

植物園の最上部ではコマクサが既に見頃です!

コマクサの生態や、植物園としての管理など、興味深く聞いていただきました。

最後はアルプス平広場に戻っての振り返り。今日は公民館の「講座」なのです!

どのように植物園を作り上げて来たか、最近は絶滅危惧種の保全などにも取り組んでいること、

白馬エリアの中でも気軽に来られる場所であることなど、説明させていただきました。

 

今回の参加者約20名は、全員が白馬村の方たちです。

白馬五竜高山植物園は、植物園とはいいつつも、「観光地」としての性質も強く、県外からの方の方が多く来られます。

そういった中、植物に興味を持たれる方が今回の機会に来ていただけたのは嬉しいことです!

今年は「白馬村民価格」としてのテレキャビン乗車代もあり、白馬村の方にも頻繁に来ていただきたいですね!

 

参加者の皆様、またお越しくださいませ!

アウトドア専門校の実習ガイドでした!

2023/06/30

国際自然環境アウトドア専門学校(新潟県妙高市)の実習が、白馬五竜高山植物園で開催されました!

6月27日 山岳プロ学科
6月28日 自然ガイド・環境保全学科 自然環境保全学科

2日間、それぞれの学科に植物園というフィールドを活用して、

●高山植物の特性や生育環境
●自生地における現状・課題・対策
●生物多様性保全への植物園としての取り組み

こういったことを話題にさせていただきつつ、

●ガイドの際に気を付けていること、裏話な体験談

ガイドも目指す皆様に、自分なりの見解もお伝えいたしました。

午前中はスライド説明、午後はフィールド実習です!

実習担当は、坪井(植物園責任者)でした(写真右)。

写真は、高山植物の女王、コマクサ。最盛期を迎え出しました!

高山の厳しい環境に育つこと、

栽培下では2年で開花するものの、自生地ではもっとかかるだろう、そういったことを話題にしました。

ヒマラヤの青いケシ。こちらは見頃が始まりました!

気候が涼しい場所で無いと栽培が難しい植物であること、

観光客にはやはり大人気ではあること、

自生地の標高や気候のこと、

外国の高山植物であるが、侵略的外来種ではなく、植物園としてエリアを限定して栽培をしていること、

色々と話題にさせていただきました。

植物を知るには、五感で感じることも大切です!

クロユリの匂いを嗅いでいただきました!

実はクロユリは臭いのです。ハエを呼び寄せて受粉するのです。

ユリと名が付いていても、良い匂いがするユリ属とはまた違う仲間の植物なので、匂いも変わるのですね。

こちらは、高山植物イブキジャコウソウ。

ハーブとして知られるタイムと同じ仲間で、良い匂いがします!

植物園イベントとして、これをハーブティーで出してみることもありますが、
植物を育てている植物園だから出来るイベントなのです。

皆様、学びつつも、フィールドを楽しんでいるのも感じられました!

アルプス展望リフトのチケット売り場に飾ってあるのは・・・

モリアオガエルです!

カエル好きのリフトスタッフが展示してくれています!

周辺に生息しているのですが、見かけることは少ないので、ここで見るチャンスでした!

地蔵の沼では、ナナカマドの樹上に泡となっているモリアオガエルの卵が産み付けられていました。

天気予報は雨っぽい感じでしたが、大した雨に降られることもなく、北アルプスも見えることもある梅雨時にしては良い天気でした1

6月27日 山岳プロ学科の皆さん

1年生だそうで、白馬五竜での経験をひとつのきっかけに活かしていただきたいです!

6月28日 自然ガイド・環境保全学科&自然環境保全学科の皆さん

2年生、3年生の混合で、フィールドに慣れている様子が感じられました!

就職先やその後の行動に、今回の体験が活きると嬉しいですね!

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実習の最後に、感想をお訊ねしました!

「高山植物への興味や知識が無かったが、今回の実習で学び知ることが出来た」

「雪が積もる姿が想像できない。冬も来てみたい」

「普段は花があっても通り過ぎてしまう。匂いがすることなど小さい花の面白さがわかった」

「植えてから何年もかかること。達成感があると感じました」

「説明が良かったので、今まで以上に高山植物の興味を持つことが出来た」

「花の話を通して、山に登って植物を見る認識が変わった」

「植物の名前を覚えるのが難しいと感じたが、1つでも2つでも楽しく覚えていきたい」

「今まで意識したことが無かったことが多かった。知ることが出来ると嬉しい」

「登山の新しい楽しみがわかった」

「自然保護をしている植物園で、名前や知識を増やすことが出来た」

「足が悪いのですが、ゆっくり登って見ることが出来た」

「今回は実習なので時間が少なかったが、ゆっくりじっくりと見てみたい」

「植物の勉強として、違う花の季節にも来てみたい」

「今日とは違う雰囲気の植物園も見てみたい」

「写真もじっくりと撮ってみたい」

「山に登れない人も楽しく花を見られる場所だと感じた」

「山に登るのですが、高山植物を見る機会は少なかった。今回はじっくりと見られた」

「植物を植えたり、展示する努力を感じた」

「高山植物を見たこと無かったが、これがそうだったんだと感じた」

「今日見た植物だけでなく、違う季節など、全制覇したいと思った」

 

私自身も、良い体験になりました!

さらに良い植物園となるよう、努めさせていただきます!

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国際自然環境アウトドア専門学校 i-nac ホームページ

https://www.i-nac.ac.jp/

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ゴンドラを降りてからも、チョウが沢山いました。

学生だけでなく、特に先生が熱心に撮影、観察されていました!!

私がガイドや講演の際につけている、コマクサのループタイ。

学生の方からお訊ねいただきましたが、ちょっとした演出のアイテムです。

こういうのは売っていないので手作りするのです! 材料は天然素材のアイボリー。

皆様、それぞれのスタイルを生み出してくださいませ!

 

青いケシ&コマクサ開花!そして安全祈願祭開催

2023/06/23

ヒマラヤの青いケシ、咲きました!

青いケシの見ごろは、6月下旬から7月中旬ごろ。

7月上旬が一番キレイかな、と思います!

※本記事の写真は全て、本日2023年6月23日の撮影です。

今年は雪解けが早い年だったのですが、結局のところ、例年なみの開花始まりになったようです!

つぼみが割れるところも美しい姿です!

外国の植物エリア(スイスアルプス・ヒマラヤエリア)の、森に近いところで咲き始めました!

本日は、安全祈願祭もあり、新聞社の方もちょうど来られていました。

葉っぱがモサモサしたのが全て青いケシ。

全ての株で咲くわけでは無いですが、花茎が伸びているのが見て取れます!

これだけ葉っぱが茂った株から、果たしてどれだけ花が咲いてくれるか!

植物園の広場では、黄色いケシが咲きつつ、青いケシも花が咲きそうです! ↓

つぼみが伸びてきているのが見えるでしょうか!?

ゴンドラを降りてすぐ、青いケシに出会うことが出来るのです!

注目度の高い青いケシ。

またSNSやブログなどで情報をお知らせいたします!!

そして、コマクサの花もいち早く最盛期を迎えだしました!

白花コマクサも咲き始めています!

何となく撮ると、こんな感じです。

アップで撮るよりも、開花の情報を求めている方は、こんな写真も参考になるでしょうか!

雨と霧の中のコマクサ群生地。歩道の両側でどんどん咲いてきます!

一番数が多いのは7月中旬ごろですが、今の季節は枯れた花が無い分、写真を撮るのに向いているタイミングですね!

さて、広場の絶滅危惧種コーナーでは、アツモリソウ類がまだ咲いています!

開花が早かったレブンアツモリソウは、花が終わった感じですが・・・

ホテイアツモリソウや・・・

キバナアツモリソウは、まだ良い感じです!

広場でも、スイスアルプス3大名花、咲いています!

ツツジの仲間の、アルペンローゼ

リンドウの仲間の、ゲンチアナ

言わずとしれたエーデルワイス!

エーデルワイスは、実は早めに開花させた株を植えたのです・・・!

本来の見ごろは7月中旬ごろから。

開花を調整できたため、広場ではアルプス3大名花が揃いました!!!

植物園のスタッフは、日々こういった努力をしているのですが・・・そんな様子を感じ取ってもらえたら幸いです!

アルペンローゼですが、植物園の中腹の外国の植物エリアでは、よく咲いてくれています。

特に、この木を移植したスタッフの腕が良かったようです!!!

7月になると花が終わってしまうので・・・早めにどうぞ!

広場の絶滅危惧種コーナーでは、シコタンハコベなどが咲いていますが・・・ ↓

一輪咲いたツクモグサ。こちらは花が終わってしまったようです。

また来年咲くかどうか。お楽しみに!

広場の端では、クリンソウが咲いています!

今まで無かった場所に苗を育てて、今年から良く咲いてくれるようになりました!

湿った場所が好きで・・・ジメジメした建物の壁沿いにも良く育っています。

まずは増やして、良い場所にさらに植え替えて、進歩させていきます!

クロユリの花も、見頃が続いています!

ゴゼンタチバナの花も、足元でキレイに咲いています!

チングルマはタネになっていますが、雨に濡れた姿も素敵です!

ハイマツの陰にコッソリと咲くリンネソウ。

ちょっとマニア向けな植物ですが、さりげなく咲いています!

タカネツメクサも咲き始めました。

見分けがつきにくい植物も、植物園なので看板をつけてあり、違いを見るのも面白いです!

ブナ林の入口では、キヌガサソウが、まだ花を咲かせてくれています!

ブナ林の中では、ギンリョウソウが咲き始めました!

野生の植物で、栽培が不可能な仲間ですが、環境を良くすることで増えてくれています!

本日は、安全祈願祭でした。

白馬村の長谷寺の和尚様が来られ、山岳関係者が集まることとなりました。

本来は地蔵ケルンで行うのですが、雨天だったため、山頂レストランにて行いました。

今年も無事にシーズンを過ごせると良いですね。

安全祈願祭の前後には、関係者の方々に植物園を見ていただきました。

普段なかなか来られない方も多く、最近の五竜の取り組み、絶滅危惧種の保全活動などについて、広く知っていただく良い機会にもなりました。

見た目の通り、スーツ率が高い集団ではありますが、白馬の山岳、高山植物といえど、このような格好でも親しめる場所なのです!

明日、6月24日から白馬五竜高山植物園が通常開園となります。

多くの皆様のお越しを、たくさんの植物たちと共に、お待ちしております!

 

超快晴!FM長野トレッキングでした!

2023/06/17

本日6月17日(土)は、超快晴でした!!梅雨はどこへ!

地蔵ケルン手前の展望デッキからの景色。空と山の色が眩しいです!

本日は、FM長野のトレッキングイベントがあり、長野県内の皆様をご案内させていただきました!

FM長野の人気パーソナリティー、伊織さんと歩くガイドでした!

(写真右手の青い帽子が伊織さんです!)

「高山植物先取り観察会」

6月24日の通常開園を前にした、早期開園に咲く花たちに会いに行こう!!

そんな趣旨で開催されたイベントでした!

応募され、当選された40名の参加者の皆様がいらっしゃいました!

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今回見られた花たちは・・・

アツモリソウの仲間たちがキレイに咲き・・・!

コマクサもどんどん咲き・・・!

(群生している様子は、ガイド中で写真に撮り損ねてしまいました)

コマクサの近縁種、タイツリソウ。ハートの形に見えてきます♡

クロユリも満開です!

ひとこと断ってから、皆さまに匂いを嗅いでいただきました。

受粉にハエを集めるため、良い匂いでは無いのです・・・

そんな話題を重ねながら、初夏の植物園をご案内させていただきました!

ガイドを終えての広場でのひと時。

高山植物の無料苗配布、販売苗など、皆さま良くみていただきました!

身近に植物を手元に置いてみたい・・・と、参加者の多くの方に立ち寄っていただきました!

最初から最後まで、超快晴!

植物のこと、山のこと、植物園ならではのこと、色々とご案内させていただきながら、楽しく歩かせていただきました!

ゴンドラを降りて、貸し切りレストランで特製ランチをいただき・・・

抽選会も開催しました!

伊織さんセレクトのプレゼントもありました!

梅雨の晴れ間のひと時。

大変すばらしい一日となりました!

毎週水曜日、FM長野にて、8:35頃から「アルプス平通信」という名前で、白馬五竜高山植物の情報をリアルタイムで配信しています!

FM長野と白馬五竜高山植物園、今後もご注目くださいませ!

参加者の皆様、ありがとうございました!

 

 

 

【2022年11月6日】営業最終日でした!

2022/11/06

写真は全て2022年11月6日撮影のものです。

本日11月6日は営業最終日!最高の秋晴れの中、冠雪の北アルプスは初冬の装いを見せてくれました!

※通常営業は10月23日まで。10月29、30日、11月5、6日と秋の臨時営業でした。

日陰の植物は昼頃まで凍り付いているものでして・・・

写真は、高山植物ツクモグサ。

大切に育てている絶滅危惧種ですが・・・
来年は初開花となるか・・・すごく気になるところです!!

昼頃もとても良い天気。

白馬山麓の紅葉がとても見頃ですね!

今年も良く花が咲き、多くの方にお越しいただきました。

白馬五竜高山植物園、日々良くなるよう努めているところです。

今シーズン、ありがとうございました!

また来シーズンも、よろしくお願いいたします!

【2022年10月20日】紅葉ピークです!

2022/10/20

例年、10月頭から最盛期が始まる白馬五竜の紅葉。

今年はやや遅めのこともあり、今がピークのようです!!

(一眼のメモリーカードを忘れて・・・スマホ撮影です!)

ゴンドラからの紅葉は文句無し!!

ブナの黄色が鮮やかです!

19日の朝には北アルプスが冠雪したのです!

今日20日の朝でも、まだ雪の白さが見えました!

寒いけれど、秋晴れの良い天気。

日陰は寒いですが、歩くと日向は暖かいくらいです。

・・・

植物園の通常営業は10月23日(日)までですが、

10月29・30日(土日)、11月5・6日(土日)、秋の臨時営業を行います!!

→臨時営業のお知らせ
https://www.hakubaescal.com/shokubutsuen/info/2022/3755

紅葉の移り変わりの美しさ・・・ぜひご覧くださいませ!!

 

【開催報告】絶滅危惧種の保全 成果報告会

2022/09/29

2022年9月25日(日)、26日(月)の日程で、
絶滅危惧種の保全 成果報告会 開催しました!

白馬五竜高山植物園の近年の取り組みを知っていただく講演会&見学会イベントでした。

絶滅危惧種をテーマとしつつ、

植物園による域外保全(栽培の事例)、現地の調査

ライチョウや高山蝶の食草の栽培などについても紹介させていただきました!

まず最初は私、白馬五竜高山植物園の坪井からの話とさせていただきました。

今回は主に「域外保全」がテーマです。もちろん「域内保全」も大切ですが。

白馬岳周辺での調査報告が主となる内容でした。

報告をする分、今まで注目されていなかった植物が知れることにもなりますので、この点は特に大切かなと思っています。

※ブログ記事最後の方に、講演スライドの主だったスライドを掲載しています。

会場には、絶滅危惧種の栽培苗、植物標本なども展示させていただきました!

百聞は一見にしかず。やはり実物を見ていただくのが良いのです!

(更なる実物は、午後の植物園見学会で見ていただきました)

左は、種子から育てた植物の標本。

右は、この夏採取したばかりの植物標本。国立科学博物館に送付前の貴重な標本でした。

今回は講演に先立ち、環境省信越自然環境事務所の酒向所長にご挨拶をいただきました。

丸山白馬村長にも、講演後にご挨拶をいただきました。

白馬における先進的な取り組みを広く知っていただきたいところです!

村井良徳氏(国立科学博物館 筑波実験植物園)による講演です。

全国的な調査の話題や、植物園として取り組む事例の紹介をいただきました。

尾関雅章氏(長野県環境保全研究所)による講演です。

長野県内の事例を中心に、県内、白馬の自然を再認識する内容を説明していただきました。

信州大学名誉教授であり、白馬五竜高山植物園の顧問でもある、土田勝義氏による講演です。

白馬五竜高山植物園との関わりや進展、過去から今まで行われている白馬の調査事例などについて説明していただきました。

東アジア野生植物研究会を主宰し、白馬五竜高山植物園の顧問でもある森和男氏。

講演や、講演の前後には数多くの貴重な書籍を紹介いただきました。

森氏所蔵の書籍のごく一部ですが、どれをとっても非常に価値のある事実が書かれています。

植物園見学会の前にも、書籍から見える先人の事例や、森氏の取り組む石川県の白山高山植物園の実情なども紹介していただきました。

植物園見学会はビジターセンター集合にて、まずはパネルで白馬五竜のことを知っていただきます。

そしてすぐ外にある絶滅危惧種の域外保全コーナーでの事例紹介です。

屋外に展示植栽する際の苦労、経験談など紹介させていただきました。

ストックで指す岩のあたり・・・白馬三山の形を模したのがわかりますでしょうか・・・!?

こちらは、高山蝶タカネヒカゲの幼虫の飼育の様子です。

指の先には・・・

まだ、これだけ小さい幼虫がいます。

食草の栽培と、越冬試験と、高山に近い植物園の環境で実施しています。

今年度からの取り組みなので、次年度以降も無事に育つことを祈るばかりです。

植物園の自然を再現したエリアについて紹介させていただいたり・・・

コマクサの管理手法など、植物管理の裏側についても紹介させていただきました。

今回は、平日、休日との2回にわけた開催を試してみました。

それぞれで30人ほどの方が来て下さり、白馬五竜の現状を説明させていただく大変良い機会になりました。

「成果報告会」と題した講演会イベントは、今後も継続していきます。

続けていくことで植物に関わる、興味のある方たちの交流の場ともなれば・・・と思っています!

今後も白馬五竜の取り組みについて、ご注目くださいませ!

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下記に、白馬五竜高山植物園の坪井によるスライドの大半を掲載します。

スライドだけでは伝わりきらない内容ですが・・・雰囲気だけでも感じていただけたら幸いです。