緑の調律日誌

【北アルプス】常念岳へ

2012/08/11

高山植物園の管理をやっているわけで、

その為には、あらゆる山岳地域や高山植物を肌で感じなければならない…。

というわけで、今回は北アルプスは常念岳を目指して登山。

登山口まではバイクにて。

「家に帰るまでが遠足です」とは全国の小学校で使われるだろう言葉ですが、

家に帰るまで、ガッチリ登山装備というバイク登山もまた良いもの。

駐車場が混んでいても停められる利点も大きく。

今回は、三股という登山口。

常念岳?小屋泊まり?蝶ヶ岳というコース。

登山口からすぐに咲いているソバナ。

キキョウの仲間で鮮やかなもの。

木漏れ日にてドラマチックに撮ってみました。

樹林帯の中でランを見つけました。

コイチヨウランのようです。

長く急な樹林帯を抜け、稜線へ。

前常念岳を目指す道中。面倒な道だ・・・。

雲海。これを見ると、街のことを「下界」と呼ぶのが納得。

登山した人のみの特権です。

今回歩いたルートはこのようなもの。

およそ赤いところをジグザグに樹林帯を上がって、

前常念岳(右)、常念岳(左)と向かってます。

そして常念岳山頂。この天気、文句無し。

39人テント8基で登山する大学生に出会いました!

みんな大好き、槍ヶ岳。

真正面に見えて、誰が見てもそれとわかる特徴的な姿。

しかし、よくもまあ、こんなとこに山小屋建てるものね…。

人間とは凄いもの。

こちらは白馬方面。

山が折り重なって、五竜岳はどこやら・・・。

街を見下ろすとこんな感じ。

写真の真ん中は豊科インターから北へ約2kmのところ。

安曇野スイス村も左の方に映っています。

山頂に咲いていたイワギキョウ。

コメススキに埋もれ、隣はウラジロタデ。

どれも好きな植物です。

枯れた枝の先にのみ葉があるハイマツ。

風に枝が伸ばされ、地を這い、根元は枯れても途中で根が出て生き延びて。

高山の厳しさを垣間見るようです。

その枯れ枝に守られるようにコマクサの花が咲いていました。

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二日目

朝焼けの時刻。

思えばここ三年は3000m級登山でも日帰りばかり。

久々の宿泊登山。これを見るために泊まったようなもの。

小屋のあたりはどうも風の道になっているようです。

再び常念岳山頂。

ここから稜線を通って、蝶ヶ岳の山頂まで向かいます。

現在朝7時。休憩、撮影含めて大体4時間くらいで着きました。

人間、意外と歩くと早いもの。

ところで、私の好きな花、オヤマソバ!

この風衝地に耐える姿の何と力強いことか!!

右は穂高、左は梓川(上高地の上流部分)。

最高の眺めの中、植物の生育には厳しいこの環境、

オヤマソバばっかりある。うん、いいね。

何という、オヤマソバの王道。もう最高。

白馬五竜高山植物園にもオヤマソバが増えつつあるので、ご期待下さいませ!

こちらは下山中に撮影したイタドリ。

オヤマソバと同じくタデ科の植物で、どこにでもある雑草ですが、

たまに良く見ると綺麗な花を咲かせるもの。

そして蝶ヶ岳山頂へ。

蝶ヶ岳の山小屋、何か秘密基地みたいね。

帰りの樹林帯にて。

アリドオシランのようです。

こういう足元の花を探しながら歩いてしまうもの・・・。

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今回の登山でも多くの方と知り合うことが出来ました。

59歳テント3泊で槍ヶ岳ぐるっと歩いたパワフルなおっちゃんとビール二缶ずつ開けたり。

癌を克服して再び山に戻ってきた方としばらく行程を共にしたり。

遠く県外から、高い交通費をかけて、装備をそろえて、息を切らせて山まで上がる。

そこに価値観を見出す人しか、こんなとこまで来ないわけで。

だからこそ山頂や山小屋での一期一会は面白いもの。

山と花と人と。色んなものがありました。