ガーデンブログ

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ウラ開花情報

2010/09/16

ナントカ心と、秋の空。標高1500mの植物園内は天気がコロコロと変わります。

ここ3日ほど天気が悪い日が続いていますが、写真の日(13日)は、夏のような秋のような空が特徴的でした。

 

秋のサンマのように、旬のもの、季節の花々はその時に感じたいものでもありますが、やはり珍しいものが好きなところは多くの人にあったり、季節でないからこそ見られて良かった、ということもあるものです。

今、園内で咲いている、されど正当な開花情報には載せにくい花を紹介します。

(注意! 「見頃」の花ではなく、咲いていても数株だったりします。確実に見られるわけではなく、場所や状況など問い合わせはご遠慮願います)

ご存知、チングルマです。雪解け後すぐに咲き、園内では6月後半が見頃ですが、園内の2箇所ほどで咲いていました。

こちらはチョウノスケソウです。チングルマと同時期に咲き、種もどこか似ています。開花は1株のみでした。

ハクサンイチゲです。初夏の最初のころに山に登ると白い花が一面に見られたりします。園内では6月末から7月最初に見られる花ですが、どうしてか園内のロックガーデンでは結構な数が咲いていました。

イブキジャコウソウです。ほとんどが種になった中で、ごくたまに花が咲いていたりします。もともと花数が多い花なので、変わり者も毎年出ています。

アオノツガザクラです。雪のたまるような所に見られるツツジの仲間の低木で、園内では7月はじめに咲くものの、数株は毎年この時期に少しだけ花を咲かせています。

アカモノです。7月ころに咲き、夏から秋にかけて赤い実をつけますが、左上にその実が見え、しかし同じ株には花が咲いています。

コマクサです。一番の見ごろは7月ですが、今まで紹介した花とは違い、この花は細々と今まで咲き「続けて」います。

 

これらの花は来週にはどうなっているかは予想がつきません。

そして、最近の雨や低温で勢いが無くなってくるかもしれません。やはり、旬の時期に見るのが一番ですね。

今はリンドウやウメバチソウの類や、マツムシソウ、オミナエシ、ノギクの仲間などが旬です。

週末はイベントも行われます。→https://www.hakubaescal.com/green/event/index.html

けれど、背の高い秋の植物とは視点を変えてみれば、足元には初夏の高山植物がもしかしたら咲いているかもしれず、そして花は無くとも、来年花を咲かせる植物が確実にそこにいるわけです。

花の有無に関わらず植物そのものを見ること、見えにくいものにも目を凝らしてみようとすると、また面白いのかもしれません。

タネを集める

2010/09/10

「ユウスゲ」という花をご存知でしょうか?

ユリの仲間で、ニッコウキスゲに近い種類、と言えばピンと来るかもしれません。

野生ではニッコウキスゲよりも標高の低い場所でみられ、ニッコウキスゲが登山の花なら、ユウスゲは長野県では人里やや高めの場所で咲いています。

漢字では「夕菅」。その名の通り、夕方から朝にかけて咲きます。

…個人的には、ニッコウキスゲよりもユウスゲの方が好きだったりします。ニッコウキスゲよりも背が高く、花の線は細く、色使いもレモンイエローと優しく、どこか女性的なものを感じます。

また、ニッコウキスゲと違ってはっきりとした匂いがあるのが特徴です。

しかし…正直ビミョーな匂い……。花の時期は過ぎているので、来年ぜひご確認を。

 

このユウスゲ、高山植物園内にもみられますが、それよりも山麓のエスカルプラザまわりに多く花を咲かせます。

そしてその種が採りどきでもありました。

果実から黒い種が覗いて見えるものを集めたところ、どんぶり一杯ぶんくらいになりました。

これを自宅でテレビを流しながら、落花生のカラを剥くように延々と種を取りだします。

ところで、気になったのは一つの果実(一つの花)には種がいくつ入っているのか?

健全な果実を10個選んで種の数を数えました。

22、23、28、24、13、28、29、34、17、15、合わせて233個。

果実一個あたりに23.3個の種が入っていました。

一つの茎に花が複数つくもので、例えば一株に5個花が咲き、上手く種が実り育てば、一本のユウスゲから100本のユウスゲが育つのか!

しかし、アブラムシにかかったものは種が一個、0個のものもあるので、世の中上手くはいきません。

米のように研ぎ、米用の計量カップで計ったところ、今回1.5合の種が取れました。

このまま炊飯器で炊いてしまいたい誘惑にかられますが…、なんとかこらえて大事に育てるとしましょう。

 

ちなみに熟していない種がまだ敷地内にたくさんあります。

これらを全てうまく育てれば…、素晴らしい花畑が出来ることでしょう!

ただし、ニッコウキスゲのように自生で群落を作るような種類ではないので、自然に見せつつ、上手く魅せられるような植え方をしたいものです。

秋に見られる花々

2010/09/06

9月になっても各地では猛暑続きのようですが、標高1500mの植物園内は晴れても気温は22℃くらい、爽やかな気候を味わうことが出来ます。標高700?800mの白馬山麓でも夜中は19℃くらいと実に快適です。

さて、最近の園内の植物ですが・・・正直な話、今は園内に花が少ない時期ではあります!(このブログを見ている方は今のところ来園者数に比べ少ないだろうと信じて)

7月のように高山植物が多いわけではなく(コマクサはまだ何とか咲いていますが)、8月のようにシモツケソウが一面を覆うわけでもなく、そもそも各植物園に聞いてもこの時期は花が少なくなる時期のようで。

しかし、この時期に花がないというと、勿論そんな訳はなく、むしろこの時期だからこその花も多く咲いています。紅葉前の残暑を優雅に過ごすための園内の花を紹介いたします。

ということで、ユウガギクです。しかし漢字は柚香菊となります。

本当に柚の香りがするのか…?ぜひとも園内を訪れて確かめてみてください。

(多分しない…いや、ご自身で是非とも!)

こちらはノコンギクです。野紺菊、野の紺色のキクですが、まさにその通りです。

この時期はいわゆる「野菊(ノギク)」の仲間が咲く時期です。

さりげない美しさの野生のキクを味わうことが出来ます。

こちらの花は、ご存知ですか?名前は絶対聞いたことあるでしょう。

ミヤマトリカブト、いわゆるあの毒草のトリカブトです!

毒草のイメージのみが先行する花ですが、野草としては他に例を見ない形であり、紫の色が秋の中に馴染む独特の美しさを持った花でもあります。

今年の園内は青いケシが大人気でしたが、では「赤い花」には何があるのか?

この花はエンビセンノウです。花びらの先が二つにわかれた様子が燕の尾(燕尾=エンビ)に似ています。

赤っぽい花というと沢山ありますが、ここまで「赤、Red」という言葉が合う花も少ないのではないかと思います。

こちらはツリフネソウといいます。船が吊り下がっているように、見えますか?

山麓に自生していたものを持ってきたものですが、良く咲いてくれています。

山野草には珍しく一年草であり、1mにも達することがあるのに芽生えから数カ月で咲いて、種を飛ばして枯れます。

実を指で触ると勢いよく種がはじけます。ホウセンカの仲間と言えばピンと来るかもしれません。

ちなみにツリフネソウ属の学名Impatiensの意味は、「我慢できない」だそうです…笑

こちらは、オヤマリンドウ、コウメバチソウ、マツムシソウです。

いわゆる定番の秋の花、とも言えるかもしれません。それだけに見応えがあり、秋の風に合う花々でもあります。

特にこの3種類は花期も相応に長く、もっと増える時期ですので、これから園内に来られる方にはぴったりの花でもあります。

ところで、こっちは全くもって定番ではない花です。

オオイタドリですが、いわゆる雑草。しかも背丈は3m、葉っぱは30cm、白い小さい花の数だけ繁殖力の強い種がまき散らされる、駆除しようにもしきれない、ゲレンデから谷間から、あちこちを埋め尽くすある意味最強の植物のひとつです。

しかし、遠目にみてそのダイナミックさ、鮮やかさは、相応にきれいなものとも思いますが、いまだにこの花の美しさに共感する人には会ったことありません…。いかがなものでしょう。

秋晴れの下ではゲレンデからパラグライダーが次々に飛び立っています。

ライダーとパラグライダーは晴れになると良く見かけますが、今は良い時期です。

黙っていても晴れる確率が高そうなので、気まぐれの避暑にでも園内を訪れてみてください!

高知県での植物

2010/09/04

しばらく高知まで行きました。

園芸、植物園関係者の懇親会が大阪であったものの、若い会員数名が「高知へ植物を見に行こう!」という、という企画があり、真夜中に高知へ向けて出発したものです。

高知県立の牧野植物園の方が講師役としての植物観察会への参加としての植物観察。

市内近郊の山ですが、海に近い標高にも関わらず、大規模な草原の景観、草原性の植物が数多くみられ興味深い山でした。

馴れない四国だけに聞いたことのない植物も多く、メモやシャッターを押す手が止まりません。

県内では絶滅危惧種のものも高知では普通種であるものもあったりするようです。

そして、今回のメインとも言えるダイサギソウは見事なものでした。

午後は植物学者の牧野博士ゆかりの山まで数人で植物観察へ。

薄暗い林の下でコオロギランを見ることが出来ました。花は数ミリの大きさで、午前中のダイサギソウと比べると華やかさはやはり劣りますが、博士が新種として発見した植物を本場で見ることにはロマンがあるものです。

 

日本が世界に誇る植物学者の牧野博士の業績を顕彰する「牧野植物園」を尋ねました。

近代的なデザインの建物に一流の研究体制を整えた植物園は想像以上に「植物園としての理想」を具現化している植物園であるものと実感するものでした。

高知の植物を収集した生態園、高知の植物相の学術的調査や保全活動、薬学的視点での企業との連携、温度・湿度を正確に保つ標本庫、レベルの高い一貫した展示解説、何よりもそれらを管理する人たちの確かな技術と熱い思い。

 

自身のいる植物園、身近なフィールドを良く知ることは必要ですが、更に良く知るためにはやはり多くの他の場所を見ることも必要なります。

あの植物はここにしかないのか、他ではどうなのか、比べてどうなのか。

人と場所と植物が同じ植物園はどこにも無い、では自分と自分のいる場所は、どうあるべきか。

そんなことを考えながら、今日も園内の作業に励む日々です。

咲き続けるコマクサ

2010/08/26

白馬五竜高山植物園でも象徴的とも言えるコマクサの花。

高山植物の女王としても知られ、全社員の名刺にも描かれています。

このコマクサ、6月の終わりから咲き始め、7月には最盛期を迎えます。

…では、開花はいつ頃終わるのか…?

実は8月最終週の今でもこれだけの花が咲いています。

写真をよく見ると、花がついていない花茎がありますが、これは既に花が種となり落ちた跡です。

このコマクサ、存外に花期が長く、6?7月に咲き始めた最初の花が種となった後も新たにつぼみが出てきて花を咲かせます。

ドライに考えれば、植物園を経営する上では花期が長い、それだけで魅力的な商品であると言えるでしょう。

そう考える前に、何と強くたくましく、可憐な花なのだろうかと感じるものです。

高山の短い夏という限られた時間で最大限の繁殖を行い続け、子孫を残すという目的を達成している進化の一つの形なのかもしれません。

そして、その種子繁殖もなかなかのもののようです。

昨年パラパラと種を蒔いてみたところからは無数の芽生えが見られます。(画像をクリックしての拡大推奨です)

この種が花を咲かせるのはいつか?

試しに同環境で実験をし、経年変化を観察したところ、最短で2年で花が咲きました。3年経つと充分な大きさで花が咲きます。

コマクサが咲くには長い時間がかかる…とよく言われますが、山の厳しい環境では、おそらく岩も崩れやすく時には根や葉が寸断されたり、強風、凍結などの影響もあり、時間がかかるのでしょう。

しかし、生物的には存外に早く成長する能力を備えているようです。だからこそ他の植物が生存し得ない厳しい環境で生き延びているのでしょうが。

植物を見に来られる方の多くが憧れるコマクサの花ですが…、知れば知るほど、魅力的な高山植物に思えてくるようです。

秋の花は今の晩夏に

2010/08/22

ふとした空気の変化に季節を感じることがあります。

そして、そろそろ「ああ、秋の匂いがするな」と先日感じました。

アルプス平自然遊歩道では、タムラソウの花があちこちで数多く咲いています。

一見するとアザミのようですが、トゲが全然無いのが特徴です。

トゲの無いタムラさんは、ちょうちょにも好かれているようです(笑

もっとも名前の方は、田村さんではなく、紫が多い「多紫草」と来ているらしいですが。

アルプス平自然遊歩道では、コウメバチソウの花も多くなってきています。

9月になると、一面が白くなるくらいに群生しています。

私も一応、植物を見る視点であちこちの自然地域を見てはきたつもりですが、この場所ほどコウメバチソウが群生する場所は見たことが無いです。最も適した生育場所…、ということなのでしょうか。

園内ではヤナギランが最後の花を見せています。

実はこのヤナギラン、下から上へ咲くのです。

だから、茎のどこに花がついているかで、花期のいつ頃なのかが一目でわかります。

先端がわずかに残るこの花はもうすぐ花も終わり。そして綿毛が飛んでいきます。

 

タムラソウやコウメバチソウ、もう秋とも言える花が目立ってきています。

咲いている花からは秋の感覚が強く感じられますが、まだまだ秋には遠いようです。

なぜかって・・・・・・

キレイな秋の花には、飽きが来ないのですよ。

でっかいワレモコウ

2010/08/17

ワレモコウ、という花を御存じでしょうか?

すっ、と伸びた茎の先に、指先くらいの紅色の花を咲かせる草原の花で、主張しすぎない美しさがある花です。

そのワレモコウの仲間の「カライトソウ」が現在、園内で最盛期を迎えています。

とても鮮やかな赤色が目立ち、見応えのある姿を見せますが、私は心の中で「おばけワレモコウ」などと呼んでいます。

近縁種のワレモコウに美しさを感じたことのある人から見れば、「ワレモコウを見習って、もう少し控え目にしてみろよ」・・・とおそらく思ってしまうくらいに目立つ姿と迫力を持っています。

山で見かけるカライトソウは、それなりに繊細なものでもありますが…、園内のものは良く育っています。ワレモコウと比べて観察出来る時期、今のおすすめです。

ヒマラヤの青いケシ、今年はよく咲いてくれました。

一番の見ごろ(花が多く、または綺麗に見られた時期)は、7月上旬?中旬でしたが、まだ最後の花が咲いています。

花は植えから順に咲いていくのですが、もう本当に最後ですね。来年また綺麗に咲かせられるようにしたいものです。

アカバナシモツケソウ祭り

2010/08/08

アルプホルン、見たこと、聞いたことありますか?

8月7日のアカバナシモツケソウ祭りのイベントとして、アルプホルンの演奏が行われました。

バックに見える北アルプスは、山頂が見えませんでしたが、この楽器の音と姿は園内のロケーションに実に合う楽器だと思っています。

アルプホルンを木材の採集段階から自作する方と知り合いですが、「今度貸すからツボイ君も練習しなよ」と言って下さっています。

植物園業務の休憩中に園内で練習…。ああ、カッコ良すぎる。

この時期の植物園上部のゲレンデ斜面には、アカバナシモツケソウが一面に群生しています。

蛇紋岩という特異な地質の為か木が生えなかったり、ゲレンデ整備として草刈りを行う為に草原になっている場所で群生しています。自生のものでこの規模でみられる場所もなかなか無いはずです。

写真の道は、実は重機用の作業道です。

この時期だけロープを張り、散策出来るようにしてありますが、是非とも歩いてみてください!

園内のアカバナシモツケソウ

2010/08/02

園内では、アカバナシモツケソウの花が今、満開近くを迎えています。

この場所で「写真をお撮りしましょうか?」と声をかけたりもしますが、赤い花畑の中にいるような写真になり、大好評です。

ところで、植物園の上部のスキー場、アルプス平ゲレンデでは数多くの自生のアカバナシモツケソウが一面に咲きます。

ゲレンデの管理として草刈りを毎年行っているのが影響しているのでしょうか。他では見たことのないようなアカバナシモツケソウの群落が成立しています。

この場所の見ごろはあと一週間、といったところでしょうか。これからもっと赤色が濃くなっていきます。

紫色のクガイソウや、白色のヤマブキショウマなどとも合わせてみられ、イワショウブ、ワレモコウなども多く、草原の植物愛好家にも十分に楽しんで頂ける場所にもなっています。

 

8月7日、8日には、アカバナシモツケソウ祭りが行われます!

→ https://www.hakubaescal.com/green/event/hanahana.html

こちらも合わせてお楽しみください!

休日や就業後に

2010/08/02

休日や就業後には、バイクで出かけ植物を探したりすることがあります。

3メートルを超えるような「草」であるオオイタドリのトンネルをくぐりながらも見つけた植物が。

あ、やせいのシナノナデシコがあらわれた!

白馬岳登山にて、鑓温泉からの帰り道などで見かけたこともありますが、あまり野外では見かける機会は多くなかった植物です。

この日見つけたこの場所では、このシナノナデシコが今までに見たどの場所よりも多く咲いていました。

植物園内に生育するシナノナデシコをかき集めても、この場所の半径数メートルの方が断然数も密度も多いくらいに。

実は白馬駅から数キロと離れていない、なんてことのない河原です。

 

河原、というのは存外に珍しい植物がみられたりすることが多くあります。

高い木が生えていない、石がゴロゴロしている、などの環境は、ある意味で高山に似たところもあり、また上流から種が流れてくることもあることにもよります。

 

例えば白馬岳に登れば、例えば植物園を訪れれば、当たり前のように多くの植物を見ることが出来ます。

しかし、何かの植物はないかと、誰も知らないような場所を探し、探し当てた時は、楽しく、何事にも代えがたいものです。

こういった「ヒミツの場所」を、植物園を訪れた別の日に、探してみるのも面白いかもしれません。